2015年11月16日
筋力量の低下からはじまる
これまでフレイルのことを「老化現象」として見過ごしてきましたが、日本老年医学会が統一した名称を作ることで、医療や介護の現場の意識改革を促しています。次の5つの評価で3つ当てはまれば、フレイルの段階にあります。
上のグラフで明らかなように、加齢とともに筋肉量は低下し、機能も低下します。しかし、適切に対応すれば、心身の良い状態を長く保つことができると言われています。例えば、筋肉の材料となるたんぱく質が豊富な食事を心がけたり、定期的な運動をすることで、フレイルの段階になるのを遅らせることができるわけです。
東大高齢社会総合研究機構による様々な研究成果をもとに、下のような簡易チェック表が作成されました。また、筋肉量を簡単にチェックする方法も考案。両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの一番太い部分を囲む「指輪っかテスト」です。このとき隙間ができると筋肉量が少なくなっている可能性が高く、注意が必要。
フレイルを予防する
1. 社会参加
本人や家族の心がけで食生活や運動習慣を身につけるのに加え、地域の何らかのグループ活動に参加することが望ましいと言われています。社会との関わりが薄れると、日々の活動量や、健康維持への意欲が低下してしまうため、グループ活動で無理なく運動したり、楽しみながら会食する習慣ができるのが理想的です。
グループ活動に参加する
2. 食事
以前から日本人、特に高齢者の食事には、たんぱく質が不足気味だと指摘されています。たんぱく質を構成するアミノ酸の中でも、ロイシン、イソロイシン、バリンの分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、筋肉のエネルギー源となります。
また、現代人はストレスが多く、環境汚染や運動不足も重なってビタミン、ミネラルの消耗が激しくなっています。健康な生活を送るためにはビタミンやミネラルを多く含んだ食事を摂ることが大切です。
ビタミンやミネラルを多く含んだ食事を摂る
3. 運動
筋肉の増強は骨への負担を軽くすると同時に骨そのものの強化につながります。特に加齢とともに骨はもろくなり、骨折の原因となるので毎日の運動で筋肉の強化、つまり骨密度の増加を心がけましょう。まずは簡単にできるウォーキングやストレッチがおすすめです。
ウォーキングやストレッチ
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参考文献:
東京大学高齢社会総合研究機構 飯島勝矢准教授 監修『要介護手前の状態「フレイル」』夕刊読売新聞 2015-8-20. p8
星崎東明 著『要介護の前段階 フレイル 高齢で筋力・体力が衰えること』 |