2016年02月19日
仕組みを知ることも治療の第一歩 花粉症はなぜ起こる?
人の体には、ウィルスや細菌などの異物が侵入すると、抗体を作って体を守る免疫という防御機能があります。この免疫機能が過剰に働き、無害なものを異物として認識し排除しようとする現象がアレルギー。花粉症もその一種です。
花粉症の人は花粉が体内に入ると対抗するためにIgE抗体を作り、鼻や目の粘膜にある白血球の一種、肥満細胞に結合します。抗体がついた肥満細胞は花粉が入ってくるたびに増加。一定量になると、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出します。
この化学物質がアレルギー症状を引き起こします。
ヒスタミンは目や鼻の粘膜の表面にある知覚神経を刺激し、くしゃみや鼻水、目のかゆみを引き起こします。ロイコトリエンは血管を拡張させて粘膜を腫らし、鼻づまりや目の腫れ、充血を引き起こします。
花粉症の歴史
日本で初めて見つかったのは、1961年のブタクサ花粉症。それまでは日本には花粉症はないと思われてきました。ブタクサ花粉症の発見以降は次々と花粉症が発見、報告されて現在は、50種類にもなります。植物の花粉はほとんどがたんぱく質でできていて、人の体内に入れば全て異物と認識されます。植物の花粉は全て花粉症の原因となる可能性があります。
いつ発症するかわからない花粉症
現代病といわれるアレルギー疾患の中でも花粉症は近年急増し、今や国民病といわれるほどになっています。これまで花粉が多く飛散する場所にいても全く症状の出なかった人でも、次の季節になると突然発症するのが花粉症です。
人は吸い込んだ花粉を異物と判断すると、花粉に反応する抗体を作り出します。その抗体が一定量を超えると花粉症となります。抗体をコップに注がれる水と仮定すると、コップに水が溜まっていく間は何の症状も現れませんが、コップの水が溢れだした途端、発症するという仕組みです。コップの大きさは人それぞれで、測り知ることはできません。経験したことがないからといって人ごとでないのが花粉症。コップからいつ水が溢れても困らないように、知識を身につけておきましょう。
日常生活で心がけたい花粉症対策
家に入る前に花粉を払う
外側に着る服は花粉の付着しにくい素材を選びます。家に入る前に、服や持ち物に付いた花粉をよく払い落とします。玄関の外側に洋服ブラシを用意しましょう。
帰ったら洗顔・うがい・鼻をかむ
顔や手についた花粉をしっかり洗い落とします。うがいをして口に入ってしまった花粉も洗い流しましょう。鼻を洗うときはぬるま湯を使うと痛みがありません。
掃除をこまめにする
花粉の多い日は極力窓を開けず、こまめに掃除を。フローリングの床や畳は掃除機をかけた後、ぬれぞうきんで拭き取ります。ソファーやカーテンも忘れずに。
洗濯物や布団は外干しを避ける
なるべく室内干しや布団乾燥機を利用。どうしても外で干す時は一枚ずつ花粉を払い落としてから取り込みます。払った花粉が窓から家に入らないよう注意。
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参考文献:
村山 貢司 著『気象病 天候が健康を脅かす』
斉藤 洋三 総監修『 これだけは知っておきたい花粉症〜早めの対策と治療法〜』 |