2015年02月16日
骨や筋肉、関節の運動機能が衰えて生活習慣の自立度が低下する『ロコモティブシンドローム(=通称ロコモ)』。超高齢化社会となった近年、要支援や要介護の原因疾患として関節の疾患や骨折・転倒などの運動器障害が約5人に1人を占めています。これは脳卒中に並ぶ数字ですが、早めに対策をとることで防ぐことが可能です。
老化による筋肉の衰えを最小限にとどめ、骨や関節への負担を減らすための運動、そして有用な栄養成分を効率よく摂り、ロコモの知識を得ることで寝たきりを防ぎましょう。
対策1:丈夫な骨を維持する
骨は体を支える重要な器官。骨を壊す「骨吸収」と骨をつくる「骨形成」を絶えず繰り返しています。この継続的な繰り返しを「骨代謝」と言い、骨代謝のバランスがとれていれば健康で強い骨が保たれます。しかし、再生される骨の量が減ったり、破壊される骨の量が増えると、骨密度が低下してスカスカになり、骨粗鬆症を引き起こします。高齢になるほど骨代謝の機能は衰えるので注意が必要です。
骨作りに欠かせないカルシウムは、日本人に不足しがちな栄養素です(下図参照)。日本は土壌に含まれるカルシウム量が少ないため、飲料水や作物に含まれるカルシウム量が少なく、また牛乳や乳製品の摂取量が少ないことがその理由。丈夫な骨を維持するために、骨に必要な成分をしっかり補いましょう。
対策2:強い筋肉を保つ
筋肉には、骨格に付いている骨格筋、内臓などの壁を作る平滑筋、心臓を動かす心筋の3種類があります。運動によって鍛えられた筋肉は太くなって筋力が増し、逆に運動不足で筋肉を使わないと細くなり筋力は低下します。また、筋肉には適度に使えば強くなり、使わなければ萎縮する性質があります。
骨格筋は主に体を動かす、姿勢を保つ、関節を安定させるなどの役目を担い、立つ・歩く・物をもつなどの動作はその働きによるものです。通常、筋肉量は20歳頃まで活発に増え、それ以降は徐々に減少します。日常動作をスムーズに行うこと、つまり筋肉を強く保ち続けることが寝たきり予防や健康長寿につながるということです。ここでは関節痛を防ぐための運動、オススメの栄養素をご紹介します。
対策3:健康な関節を保つ
軟骨は関節部分の骨の表面を覆い、関節が動くときの摩擦をなくして、スムーズな動きをサポートする役割を担っています。しかし、長年積み重なった負担で、軟骨は段々すり減っていきます。軟骨がすり減ると滑らかな動きやクッションの効果が得られなくなり、曲げにくい、こわばるなどの違和感を覚えるようになります。さらにすり減り続けると、骨と骨の距離を適度に保っていた軟骨が剥がれ落ち、骨が剥き出し状態に。軟骨は神経がないので痛みは感じませんが、固い骨がぶつかり合うようになると、激しい痛みが生じます。軟骨の摩擦は老化現象の一つで、多くの中高年者が悩まされています。軟骨に良いとされる成分を補って、軟骨のすり減りを予防しましょう!
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