2016年1月7日
2015年12月、日常的にカフェインを含んだ清涼飲料水などを摂取していた男性がカフェイン中毒により死亡するという事例が発生いたしました。
男性の血液中からは致死量のカフェインが検出され、カフェインの大量摂取による中毒死と診断されました。
カフェイン中毒死としては日本初の事例です。
【インシップの見解】
(1)カフェインの致死量は動物実験の結果をヒトに当てはめると約11gとなります。
これはコーヒー1杯のカフェイン量を60mgとすると約183杯となります。(内閣府食品安全委員会より)
すなわち、通常通りのコーヒーの飲用であれば全く問題ないカフェイン量です。
(2)珈琲はエチオピアや欧米で数百年、日本でも50年以上飲用されていますが、中毒死の報告はありません。
(3)関連省庁や業界団体(一般財団法人全日本コーヒー協会、一般財団法人全国清涼飲料工業会等)においてカフェインに対するデメリット表記をするという指導はありません。
(4)むしろ1日3〜4杯珈琲を飲用した場合、健康効果の報告もあり毎日の摂取をおすすめします。
【コーヒーの健康効果】
2015年5月、コーヒーやを日常的によく飲んでいる人は、そうでない人に比べて病気などで死亡するリスクが低いとする調査結果を、国立がん研究センターなどの研究チームがまとめました。
この調査は、全国の40〜69歳の健康な男女約9万人を対象に1990年以降、平均19年間追跡調査したものです。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血糖値を改善し、血圧を調整する効果がある上に、抗炎症作用があるといわれています。さらに、カフェインが血管内皮の機能を改善する効果があるとされています。また、カフェインには気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果があるのではないかといわれています。これらの効果により、循環器疾患や呼吸器疾患による死亡リスクが減少している傾向があるそうです。
多目的コホート(JPHC)研究から発表された論文については こちらをご覧下さい。
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