2018年11月13日
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エラスチンをご存知ですか?
靭帯や皮膚、血管など弾力や伸縮性が必要な組織に多く分布して、弾性を与える「エラスチン」。
ハリや弾力を与える成分といえばコラーゲンが有名ですが、エラスチンはそのコラーゲンを束ねることで効果を発揮します。今話題の成分「エラスチン」について詳しく紹介します。
靭帯は関節を安定化させる役割
靭帯は骨と骨を繋ぎ、関節を形作り、安定化に関与しています。また、関節の可動域を制限する働きもあります。靭帯は伸縮性が必要なため、ゴムのような弾力性に富んだ「エラスチン」を含み、関節の動きを滑らかにしています。
加齢とともに靭帯機能が低下
例えば膝の前十字靭帯は体内でも大きな靭帯のひとつで、約20%のエラスチンを含んでいます。加齢とともにエラスチンが減少すると靭帯機能が低下し、弱く切れやすくなってしまいます。靭帯機能の低下は、関節の安定や曲げ伸ばしが悪くなり、膝の痛みや関節の可動に悪影響を与えます。変形性膝関節症の原因は軟骨の減少だけでなく、関節の安定化に関与する靭帯の損傷が主原因になっている場合もあります。
皮膚に弾力を与え、皮膚のハリを保つ
皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層からなり、エラスチンは真皮層でコラーゲンと共にネットワークを形成しています。コラーゲンが真皮の線維成分として70%以上を占めているのに対し、エラスチンは2~4%しか含まれませんが、コラーゲンの網目状部分に絡んで結びつけ、肌に伸縮性や弾力性を与えています。加齢によりエラスチンが減少すると伸縮性を失い、たるみやしわの要因になると考えられています。
クーパー靭帯がバストの形を保つ役割
バストのハリは「クーパー靭帯」とよばれる靭帯によって保たれています。クーパー靭帯は乳腺を皮膚や筋肉につなぎとめ、バストの下垂を防ぐ役割を果たしています。
つまりクーパー靭帯のおかげでバストの形が保たれると言うことです。そしてその靭帯の伸びを防いでいるのが「エラスチン」です。
しかし加齢でエラスチンが減少したり、運動による長時間の刺激が続くと靭帯が伸びきってしまい、下垂につながります。
参考文献:
加藤勇司 監修 『コラーゲン同士を結びつけるエラスチン』
星川吉光 著 『専門医が治す!ひざの痛み』
村岡功 監修 『運動・からだ図解 筋肉・関節・骨の動きとしくみ』