2017年01月20日
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「認知症」は病気の名前ではなく、さまざまな病気が原因で起きる「症状」です。例えば腹痛や頭痛のようなもので、「物忘れがひどい(記憶障害)」「今日が何日かわからない(見当識障害)」など、いくつもの症状の集合体です。
MCI(軽度認知障害)は、認知症とは診断できないものの、正常とも言い切れない「グレーゾーン」=認知症と健常の境目にいる時期のこと。日常生活に支障をきたすほど認知機能は低下していません。
厚生労働省の推計ではMCIの人は約400万人いるとされています。全ての人がすぐ認知症へと進行するわけではなく、長期間MCIの状態を維持したままの場合や、健常に戻る場合もあります。しかしMCIを放置すると5年間で約50%の人が認知症を発症するといわれています。
最近高齢者による運転事故が大きな問題になっています。自動車の運転は視力、聴力、認知力、判断力、反射神経、筋力など、さまざまな能力を同時に必要とする複雑な作業で、MCIや認知症の早期発見のきっかけとなります。例えば「運転が荒くなった」「よく行く場所なのに道順を間違える」「同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった」など、気になるようになったら早めに専門医の受診を検討しましょう。
認知症になってからではなく、MCIの段階で診断するメリットは、本人が病気のことをよりきちんと理解できる点にあります。個人差はあるものの、現状を受け止めることで予防に取り組む意欲が出て、進行を遅らせたり健常に戻ることも可能になります。MCIの診断や治療は「物忘れ外来」や「認知症外来」などを標榜している医療機関で受けられます。
色素成分フラボノイドが強い抗酸化力を発揮し血流をなめらかに保つと期待されています。特殊成分ギンコライドは、活性酸素が過酸化脂質を作るのを妨げ、記憶や思考力に関与する細胞への酸素不足や死滅を防ぎ、記憶力や加齢に伴う思考力の問題をサポート。
青魚に豊富なn-3系の多価不飽和脂肪酸。情報伝達や記憶、学習能力を司る場所に多く含まれています。発育盛りの幼児から大人まで、あらゆる年齢層に不可欠な栄養素です。体内ではほとんど合成できないため、食事から摂る必要のある必須脂肪酸です。
いちょう葉に含まれる「フラボノイド」という成分には血管拡張作用があるといわれており、毛細血管を保護する事によって脳への血液の供給を助ける働きがあるといわれています。他に、脳そのものの栄養になるといわれているのが青魚の油に含まれる「DHA」です。また、脳や神経組織の構成に欠かせないリン脂質の一種である「レシチン」や、脳の老化の原因であるDNA の損傷をサポートするために「核酸」などの成分をお摂りいただくのもおすすめです。
参考文献:
今田 俊 編集『すべてがわかる認知症2016』
奥村 歩 著『MCI(認知症予備軍)を知れば認知症にならない!』