2016年09月21日
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中高年になると排尿の悩みが増えます。「夜中に何度もトイレに起きる」「残尿感がありスッキリしない」など。加齢とともに体の機能が衰えますが、泌尿器についても同じです。特に多いのが夜中に何度もトイレに行きたくなる「夜間頻尿」。男女ともに起こる症状で、膀胱の収縮機能の衰えや、夜間の尿量を減らすホルモンの分泌低下などが原因と言われています。
排尿トラブルは生命というより生活の質に関わる疾患です。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)という言葉がありますが、これは身体的機能、社会生活、家庭生活、感情などの面から評価される「生活の質」のことで「人としての尊厳を保ち、よりよく生きるにはどうすればよいか」というテーマを意味します。例えば尿漏れが気になり外出をためらったり、スポーツを楽しめなかったり、この状態をQOLが低下しているといいます。
生命に関わる問題でないと病院へ行かない人がほとんどですが、排尿トラブルには加齢だけでなく、生活習慣病や泌尿器疾患などが原因となっている場合もあり、それらを見逃さないためにも泌尿器科の受診をおすすめします。
男性は50歳を過ぎる頃から、加齢とともに前立腺の肥大がみられます。前立腺は男性だけにある生殖器官で、膀胱の下で尿道をとり囲むようにあります(図を参照)。前立腺が肥大すると尿道を圧迫したり、膀胱が過敏になるなどして排尿トラブルが起きやすくなります。50歳以上の5人に1人は前立腺肥大症といわれており、患者数が急増しています。
排尿トラブルを放置していると、尿を全く出せなくなる「尿閉」や「腎不全」に至る場合もあります。最近は薬剤や内視鏡の手術など、治療法も年々進んでいるので、トラブルを我慢し続けず、早めの受診、治療をおすすめします。
日常生活で注意すべき点は、体を冷やさないこと、長時間座らないなどです。特に下半身の冷えは全身の血液の循環を悪くして、前立腺の炎症を招く原因となります。長時間屋外にいなくてはならない場合などで、体が冷えたと感じたら、一日の終わりに必ずお風呂に入り体を温めましょう。
女性の悩みで多いのが尿もれ。40歳以上の大半が経験し、年齢を重ねるごとに症状が重くなり、患者数も増えています。女性の尿道は男性の約4分の1と短く、真っ直ぐ。しかも尿道を引き締めている尿道括約筋や膀胱などを支える骨盤底筋も男性と比べて弱いため、尿もれが起こりやすいのです。
尿もれにはいくつかタイプがありますが、代表的なのが「腹圧性尿失禁」。咳やくしゃみ、重いものを持ち上げるなど瞬間的にお腹に力が入ったとき、尿が少し出てしまうものです。主に出産や肥満、加齢による骨盤底筋のゆるみが原因とされています。
他にも過活動膀胱による頻尿や切迫性尿失禁など様々な症状に多くの女性が悩まされています。
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参考文献:
本間之夫 著『尿の悩みを解決する本』
主婦の友 編『よくわかる最新医学 新版前立腺肥大症・前立腺がん』