2016年06月16日
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動脈とは、心臓から送り出される血液を全身に運ぶパイプのような血管。しなやかで弾力があり、拡張や収縮機能を持っています。動脈硬化とは、老化とともに弾力性が失われて硬くなったり、動脈内にさまざまな物質が沈着して血管が狭くなり、血流が滞る状態です。血管の老化現象のようなものですが、年齢とは関係なく血管の閉塞が急速に進むことがあります。その原因となるのが『ドロドロ血』で、血液中の成分バランスが変化することで起こります。例えば、LDLコレステロールが増え過ぎると、血管壁に沈着して血管の内腔を狭め、血流を悪くさせます。この他、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、喫煙、ストレスなどが原因と考えられています。
血液中の脂質は、バランスが崩れて動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気を引き起こす危険性があります。
血液中には血清脂質と呼ばれるコレステロール、中性脂肪などの脂質があり、動脈硬化に深く関わっています。バランスが崩れてそれぞれの基準値を超えた状態が脂質異常症です。(下の表を参照)。LDLコレステロールは増えすぎると酸化されて血管壁に入り込んでたまり、血管の内腔が狭くなります。HDLコレステロールは血管壁にたまったコレステロールを回収。中性脂肪はLDLよりも小さいため血管壁に入り込みやすく、HDLが減少します。
脂質のバランスを整えるために、まずは健康診断などで自分の管理目標値を知ることが大切です。
※1 体を動かす程度によって決まるエネルギー必要量。25~30は、1日に2時間程度の歩行や立ち仕事がある場合の数値。多くの人がこれにあてはまるとされるが、肉体労働がある人であれば、35で計算してもよい。
※2 身体活動量が25の場合と30の場合の2つの値を計算し、1日の活動量に合わせて、2つの値の間で設定するとよい。
●EPA(エイコサペンタエン酸)
●DHA(ドコサヘキサエン酸)
参考文献:
NHKテレビテキスト『きょうの健康12 わかりやすく、確かな情報で』
山田信樹 川島容子 著『専門医が治す!血液をサラサラにして健康になる!』
毛利博 編著『トコトンやさしい血液の本』
白澤卓二 著『図解 100歳まで効く!「抗加齢」の基本』
日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版.日本動脈硬化学会,2012