2016年05月18日
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地球上に生きる生物はみな、太陽の光を最大限に活かして生き延びるため、太陽が昇っては沈む1日24時間周期に合わせて時を刻む「体内時計」を身につけました。しかし私たち人間は、「夜になれば暗くなる」というごく当たり前のことを忘れて、「夜 も明るい生活」が当たり前になってきました。
ブルーライトを多く含むLED照明や、パソコンやスマートフォンなどの爆発的な普及が“朝のように明るい光”を浴びる環境を作り出しました。そして24時間営業のスーパーやコンビニの明かりなど、光のない場所はほとんどありません。朝から夜遅くまで過剰な光にさらされた生活を送っています。
光とは、電波や放射線と同じ電磁波の一種。波長が長い順に、電波、赤外線、可視光線、紫外線、放射線があります。人が目で見ることができるのは可視光線だけで、波長が短いほど光のエネルギーは強くなります。380から500nm(ナノメートル)の波長の青色領域の光(ブルーライト)は紫外線の次に波長が短く、可視光線の中で最も高エネルギー。角膜や水晶体で吸収されず直接、網膜まで到達してしまいます。
LED液晶ディスプレイが発するブルーライトは、太陽のブルーライトに比べてずっと微弱で、一瞬でダメージを受けることはありません。しかしピントを合わせて長時間凝視し続けることによるダメージは、決して侮れません。
ブルーライトは、紫外線に次いで強いエネルギーを持っています。エネルギーが強いということは、障害物にぶつかったときの衝撃も強く、網膜や黄斑部に大きなダメージを与えます。最悪の場合、失明してしまうこともあり、網膜の疾患や加齢黄斑変性を引き起こす原因の一つと考えられています。
また、ブルーライトは波長が短いため、大気中の水蒸気やチリなどの粒子にぶつかって何度も跳ね返り、四方八方に拡散します。その影響がパソコンやテレビの画面のブレやちらつきとして表れるため、私たちの目はピントを合わせようと懸命に働き、目の筋肉や視覚を認識する脳が疲れてしまい、眼精疲労を起こしてしまいます。
サーカディアンリズムとは、1日24時間周期の体内リズムのことで、動物はもちろん植物もこのリズムを刻む体内時計を持っています。夜も明るい環境でブルーライトを浴び続けると、サーカディアンリズムは乱れ、自律神経系や内分泌系、免疫系にも悪影響を及ぼします。寝付きが悪い、などの睡眠障害だけでなく、体温や心拍、血圧、血糖値、ホルモンなど生理機能の変動リズムに影響し、糖尿病や高血圧などメタボリックシンドロームのリスクを高めます。
ブルーライトは『危険な光』と思いがちですが、『悪者』ではありません。太陽が昇っている間にブルーライトを浴びなければ、私たちはサーカディアンリズムを正常に保って健康を維持することができません。まずは、規則正しい生活をおくり、生活の中でブルーライトと上手につきあっていくことが大切です。
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参考文献:
坪田一男 著『ブルーライト体内時計への脅威』
ブルーライト研究会ホームページ