2016年04月18日
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5000年以上も昔、古代エジプト時代にピラミッドを造る労働者のエネルギー源とされていたニンニク。日本でも万葉集や源氏物語に登場するなど古くから健康を支える食材として重用とされてきました。
ニンニクの主要成分は、特有のにおいのもとであるアリシンとスコルジニン。アリシンはもともとアリインというアミノ酸の一種で、刻んだりつぶしたりすることでアリイナーゼという酵素が働き、アリシンに変化します。丸のままのニンニクは臭わず、傷つけられてはじめて強烈な臭いを発します。そして強い殺菌作用で体内に侵入した菌やウイルスの働きを弱め、また疲れを防ぐビタミンB1と結合して滋養を高めます。
スコルジニンは体内の栄養素の燃焼を活発化させてエネルギー生産の効率を高めます。めぐりを良くして体を温めたり、食欲を増進させる働きがあります。そして最近注目されているのが体内の自己防衛力をつける働き。必須ミネラルの一つセレンの抗酸化作用が健康をサポートします。
これらニンニクの働きは、他の野菜に比べ早く実感できるのが特長で、毎日適量を食べ続けることをおすすめします。生のニンニクなら1片約10g 、加熱したものなら2片が目安。しかし、毎日摂るのが難しい方や、ニンニクが苦手な方はサプリメントを利用するのもおすすめ。
ニンニクは、皮をむいただけの状態ではにおいません。ところが包丁を入れたりおろしたりすると、強烈なにおいが発生します。それは細胞内に蓄えられたアリインと、水や栄養素を運ぶパイプが集まった場所(維管束)に存在するアリイナーゼが反応して、におい成分「アリシン」を発生させるためです。
しかしアリシンは大変不安定な性質を持ち、すぐに百数十種類もの成分へと変化します。そのため、切ったニンニクをしばらく置いたり、油などで熱すると香りが変わります。
アリシンはにんにくの薬効に深く関わっています。抗菌作用や動脈硬化の予防につながるLDL(悪玉)コレステロールを減らす作用など、様々な健康効果が期待されています。
疲労回復
ニンニクに含まれているアリシンとビタミンB1には、疲労を回復させる効果があるといわれています。アリシンはビタミンB1と結合すると、体内に吸収されやすい「アリチアミン」という成分に変換されます。変換されることによって、長く血液中に留まることができ、長時間疲労回復のために利用されます。
免疫力を高める
アリシンやその他の硫化アクリル類には強力な殺菌作用があり、細菌やウイルスにも効力を発揮します。
冷え性を改善
ニンニクにはスコルジニンという特殊な成分を含んでいます。これは新陳代謝を活発にし、血行を促進し、ホルモンの分泌を促すので、冷え性の改善に効果があるといわれています。
動脈硬化予防
動脈硬化とは動脈の弾力性が失われ、硬くなった状態。アリシンやスコルジニンには血流をスムーズにする働きに加え、LDL(悪玉)コレステロールを低下させる働きがあります。
コレステロールの増加を抑えて血液が固まるのを遅らせるため、動脈硬化予防に効果が期待できます。