2016年04月18日
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加齢によるもの
人の知的能力は40~50歳代頃まで伸び続け、その後は下降線をたどるといわれています。年をとれば体の様々な部分が衰えてくるように、脳の働きも低下。物忘れは誰にでもみられる老化現象です。
認知症によるもの
一方、認知症による物忘れは脳の病気で、記憶や思考、判断など知的機能に支障をきたし、社会活動を営むことが困難になる状態を認知症と呼びます。認知症は、次のような原因となる病気があって起こります。
アルツハイマー病
認知症を引き起こす代表的な病気で、認知症全体の7~8割を占めます。脳が萎縮して機能が低下し、記憶できなくなると考えられています。原因はまだ不明ですが、脳の損傷、活性酸素、特定の遺伝子タイプを持つたんぱく質などがリスク因子になると考えられます。
レビー小体型
脳細胞に特殊なたんぱく質などからなるレビー小体という物質が沈着して発症。「幻視」や「うつ症状」、動作が遅くなる、転びやすくなる、などのパーキンソン様症状が起こり、日や時間によって症状に変動がみられるのも特徴です。レビー小体型認知症は、認知症とパーキンソン病が合併したような病気です。
脳出血
脳卒中の発作で脳の神経細胞が死滅すると、認知症の症状が現れます。発作で急激に神経細胞が死滅する場合は、始まりが比較的はっきりしていますが、脳の小さい血管にいくつもの梗塞が起こる多発性脳梗塞により認知症になる場合は、発症時期がはっきりしません。
加齢・遺伝
アルツハイマー病の有病率は、65歳以上で5歳上がる毎に倍増するといわれます。年をとることは認知症の最も大きなリスク因子の一つ。親兄弟にアルツハイマー病患者がいる人は、いない人より危険率が3.5倍高くなるとされています。
頭部の外傷
頭に繰り返し衝撃を受けるスポーツは、アルツハイマー病のリスク因子に。ボクシングをはじめアメリカンフットボール、サッカー、相撲などをしている人は注意が必要です。意識を失うような大きなけがを頭部に負った場合も要注意。
生活習慣病
中年期(44~58歳)に最大血圧が160mmHg以上あった人は正常な血圧の人に比べてアルツハイマー病の危険率が2.3倍。また、コレステロール値が260mg/dl上の脂質異常症だった人は正常値の人に比べて危険率が2.1倍になります。
話に「あれ」「それ」が増える
年をとって記憶力が減退すると、人や場所などの名前を忘れて「あれ」「それ」「あそこ」などの代名詞か多くなるのは健康的な物忘れですが、話の内容にそぐわないピントはずれの受け答えをするようになったら認知症と考えられます。
人柄が変わったように見える
今まで持っていたその人らしさがなくなり、全く別の人格が現れたように見えます。穏やかな人柄から、意味もなく怒るようになったり、陽気で笑顔の絶えない人があまり笑わなくなったり。活気がなくなり、表情が乏しくなると要注意。
関心がなく投げやりになる
物事に対して関心や興味を失ったように見えます。好きだったテレビを見なくなる、打ち込んでいた趣味をやらなくなる、など。生活面では部屋を乱雑なままにしたり、やりかけの家事を投げ出したり。料理をしなくなることもあります。
●DHA(ドコサヘキサエン酸)
●いちょう葉エキス
●大豆レシチン
参考文献:
吉岡 充 監修『新版 認知症・アルツハイマー病』
渡辺 登 著『いますぐできる!ボケにならない暮らしのテクニック』