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健康コラム

2016年01月18日

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いきいきした腸内フローラを手に入れよう!

いきいきした腸内フローラを手に入れよう!

腸内フローラとは

私たちの腸内には、1000種類以上、1000兆個という天文学的数字の細菌がすみついています。回腸(かいちょう)、小腸の終わりから大腸にかけて、腸内細菌が種類ごとにまとまりをつくってびっしりと腸内に壁面を作って生息しています。まるで、植物が種類ごとに群れている花畑の様子にもたとえられ、腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれています。腸内フローラの状態は生活習慣や年齢、ストレスなどによって変化します。

きれいな腸内フローラは花畑にたとえられます

腸内フローラでは腸内細菌が体のために働いています。

腸内フローラを構成する腸内細菌には大きく分けて3種類あります。ビフィズス菌や乳酸菌に代表される善玉菌や、ウェルシュ菌、大腸菌などの悪玉菌、そしてバクテロイデス門やレンサ球菌など種類が豊富な日和見菌が棲息しています。よく善玉菌は体に良い働きをし、悪玉菌は悪い働きをする菌だと思われがちですが、悪玉菌も体に必要な菌の一つで、善玉菌をサポートする大事な要素です。ただ、悪玉菌が増えすぎると善玉菌を邪魔して腸を老化させ、免疫力も低下させてしまいます。あくまでも腸内は善玉菌優位の状態にすることが健康の鍵です。

腸内細菌の種類 善玉菌 健康の味方。体内を酸性に保って有害
な菌の増殖を抑制したり、免疫機能を正常に維持するために活躍する。 悪玉菌 腸内バランスを維持するために不可欠だが、増えすぎると毒素などを発生。免疫力を低下させる働きも。 日和見菌 腸内細菌のなかでもっとも多くを占める。腸内の善玉菌と悪玉菌の
多いほうに加勢する習性がある。

腸内フローラのバランスが崩れると体調不良に

ストレスに弱くなる

腸内フローラを持たない無菌マウスは、腸内フローラを持つ通常のマウスと比べて脳内でいくつかの遺伝子発現量が低下して、リスク回避能力が低下する、つまり腸内環境が整っていないとストレスに弱くなるということが実験で明らかになっています。

免疫力が下がる

腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が不足し、腸管のバリア機能が低下。その結果、アレルギー源が入りやすくなったり、免疫システムがおかしくなる可能性も。

肌の状態が悪くなる

腸内細菌が作る代謝物質のうち体に悪い影響を与えるものが、全身をめぐる際に肌の状態も悪くすると考えられています。

太りやすくなる

バクテロイデスなどのグラム陰性が増え、LPS※という悪玉物質が腸内で増加。肥満や糖尿病につながるという研究報告があります。※LPS=リポポリサッカライド

腸内フローラをいきいきさせよう

腸内フローラがいきいきするには腸内細菌、なかでも善玉菌を増やすことが大切です。腸内細菌は乳酸菌などの善玉菌、ウェルシュ菌などの悪玉菌、そしてどちらにも属さない中間の日和見菌に大別できます。腸の中では善玉と悪玉がシーソーのようにバランスを保って生息しています。善玉菌優勢に傾いていると、腸は若々しく健康でいられますが、ストレスや睡眠不足によって、そのバランスは簡単にくずれてしまいます。善玉菌と悪玉菌の勢力争いが繰り広げられている腸内では、善玉菌を続けて摂取しないと、善玉菌優勢の腸内環境は長続きしないことが明らかになっています。その為、善玉菌が優勢になるように食物繊維や発酵食品を継続的に摂取しましょう。難しい人はサプリメントを頼る事もよい方法です。

善玉菌は年齢とともに減少します 人間は徐々に悪玉菌との関わりが深くなるため、老年期は悪玉菌が優勢になります。若い世代でも腸内細菌のバランスを崩す生活をしていると老年期を待たずして様々な支障を招く恐れがあります。何歳であっても腸内フローラを悪玉優勢にするのは好ましくありません。いかにビフィズス菌など善玉菌を増やすかが大切!

腸内フローラがいきいきすると良い事

「幸せ物質」を増やす

私たちの気持ちや感情、健康はドーパミンやセロトニンなどの幸せ物質と呼ばれる神経伝達物質が大きく作用していると言われています。この幸せ物質は脳の中にある物質ですが、作り出している“工場”は腸の中の「腸内フローラ」です。
腸内で合成されたドーパミンやセロトニンの前駆体は、腸内フローラがいきいきしていないと脳に伝達できません。なんだかイライラする人は腸内フローラの花畑が枯れているのかも。

免疫力を高める

免疫細胞の約70%は腸内細菌がつくると言われています。口から肛門まで6~10mに及ぶ消化管の一部である腸は、生命維持に欠かせない栄養素や水分を摂取する一方で、病原体も外から運び込まれ汚染されます。そのため、免疫細胞が腸に点在し、闘っています。この免疫細胞の力を回復させるの が、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌。腸内フローラが善玉菌優勢になれば、免疫機能が正しく働く事をサポートします。

最近こんな事で悩んでいませんか? イライラする アレルギー・花粉症だ 風邪をひきやすい 一見、腸とは関係なさそうな症状が実は腸内フローラの元気がない事が原因かもしれません。

もうすぐ花粉シーズン!注目のビフィズス菌

善玉菌が優勢になると免疫力が増す事が分かりましたが、中でも花粉症への効果で注目されているのが、ビフィズス菌のなかのロングム菌BB536という菌株です。2004年と05年の臨床試験で花粉症低減効果、予防効果があることが明らかになりました。
BB536菌は、正式には「属名ビフィドバクテリウム、菌種名ロングム、菌株名BB536」といいます。日本人なら誰でも持っているビフィズス菌の菌種で、1969年にこの菌株の分離に成功。その後、研究を重ねて1977年に日本で初めてビフィズス菌入りの牛乳、79年にビフィズス菌入りヨーグルトが製品化されました。BB536菌は小腸で免疫をコントロールする効果も検証されています。花粉で悩んでいる方は積極的なBB536菌の摂取が効果的であると言えます。

花粉飛散期間におけるメディカル症状スコアの合計値 花粉症の人44名に、スギ花粉が飛び始める約1ヶ月前から、ビフィズス菌BB536菌の粉末またはプラセボ粉末を13週間にわたって摂取してもらったところ、ビフィズス菌BB536菌摂取群では花粉症の自覚症状の緩和が認められました。

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ビフィズスBB+乳酸菌

参考文献:
藤田 紘一郎 著『腸内革命 腸は、第二の脳である』
後藤 利夫 監修『腸イキイキ健康法』

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