2015年7月17日
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表皮の一部である角質層には、紫外線やホコリ、細菌など皮膚に触れる全てのものから体を守り、また、内部の水分が外に蒸発しないよう、バリア機能が働いています。例えば、洗剤で手を洗っても洗剤がしみ込んでこないのは、このバリア機能のおかげです。健康な皮膚は、角質層を構成する細胞間脂質の約半分を占める成分、セラミドを自ら作り出し、水分を挟み込むように保持して潤いを保っています。
年齢とともにセラミドの量が減少すると水分量も低下し、バリア機能が弱まってしまいます。肌の水分が減った乾燥状態になり、外からの刺激も入り込んできます。保湿成分といえば、ヒアルロン酸やコラーゲンがよく知られていますが、これらは表皮のさらに下にある真皮に存在します。いくらヒアルロン酸やコラーゲンで水分を貯えても、最後の砦となる表皮の機能が乱れるとうるおいを保つことはできません。
また、セラミドには保湿性だけでなく、皮膚に関する多くの有用性があることが近年の研究でわかってきました。セラミドの量が多いほど、シミの原因となるメラニンの生成が抑えられ、また、アトピー性皮膚炎に対する作用としてセラミドにかゆみを抑える働きがあることが、実験結果として報告されています。
参考文献:
健康科学研究所所長・薬学博士/久郷晴彦 著『皮膚の保湿や美容に重要な物質 セラミド 美白やアトピー性皮膚炎に最も有効な成分』
吉木伸子 著『美肌のひみつ』