2015年6月19日
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ローヤルゼリーは、最盛期には1日約2000個もの卵を産む女王バチのために、働きバチが体内で合成する栄養素です。糖分が主体の蜂蜜とは大きく異なり、働きバチが蜂蜜や花粉を食べて体内で合成し、咽頭腺から分泌したミルク状のもので、特有の香味と舌を刺すような酸味があります。
女王バチのための特別食であり、これを食べることで女王バチは同じ雌の働きバチに比べて体が3倍も大きくなります。寿命も働きバチがせいぜい1ヵ月のところ3~5年も長生きして、その間に百万個もの卵を産みます。
ローヤルゼリーを摂取した幼虫だけが女王バチになることは、未だ全容が解明されていませんが、多くの成分、栄養素がバランス良く配合された総合作用による優れた食品であると言われています。
ローヤルゼリーだけに含まれる特有成分。様々な健康効果がありますが、際立っているのは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることです。更年期に摂取すれば、女性ホルモンの減少から起こる自律神経失調症やイライラなどの不調が和らぐといわれています。
また、糖尿病治療などに使われるインスリンとよく似た働きをするのも特徴です。糖代謝を高め、血糖値を下げると言われ、他にも悪玉コレステロールの抑制、抗菌・殺菌作用が期待されています。
デセン酸はローヤルゼリーの品質を決める成分でもあり「全国ローヤルゼリー公正取引協議会」が基準を設けています。
アピシンは糖タンパク質の一種で、近年発見された成分です。細胞を増殖させる働きがあり、また、細胞を長生きさせるため、細胞に老化が起きにくく、老化してもすぐに新しく生まれ変わる作用があると言われています。この抗老化作用によって、アピシンは長寿タンパクとも呼ばれています。また、アピシンには血中の悪玉コレステロール値や、中性脂肪を下げる作用もあり、生活習慣病の改善や予防にも期待されています。
神経伝達物質のことで、シナプスで伝達物質として働きます。自律神経は、交感神経と副交感神経からなる神経で、人の意思とは関係なく働きます。臓器などの働きをコントロールしますが、バランスが崩れると自律神経失調症を起こしてしまいます。アセチルコリンは副交感神経から分泌される神経伝達物質で、バランスをとることによって脈拍を遅くしたり、血管を拡張するなど、自律神経の働きを整え、また更年期障害を緩和してくれると言われています。
●ローヤルゼリーによる耳鳴りの軽減
ここで言う耳鳴りとは、50~60代頃から始まる老人性難聴の初期症状。加齢による内耳の神経細胞の機能の低下や、ストレス、ホルモン等が影響しているといわれています。
ローヤルゼリーの摂取により耳鳴りが改善するのか、科学的に検証されました。慢性的に耳鳴りを感じている人がローヤルゼリー(700・2,400mg/日)を8週間摂取したところ、2,400mg/日摂取群では700mg/日日摂取群と比べて、統括医師による試験項目の総合評価において耳鳴り改善率が高く、特に自覚症状および耳鳴りの重症度を示すスコアにおいての改善が認められました。
●脂質異常症及び糖尿病に対するローヤルゼリーの作用
脂質異常症とは、血中の脂質が増え過ぎる病気。血中にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類の脂質が溶け込んでいますが、脂質が増えてそのまま放置すると、血管の内部に脂質がたまって動脈硬化に。さらには心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こします。
一方、糖尿病は血糖値が高くなる病気です。血糖は細胞へのエネルギー補給という重要な役割を果たしていますが、インスリンという血糖を下げるホルモンがうまく分泌されなくなり、血中で慢性的に高い状態が続きます。すると肝臓や筋肉などに蓄積しきれなくなったり、様々な合併症を引き起こしてしまいます。
近年の研究によって、ローヤルゼリーが、脂質異常症や糖尿病の予防や改善に有効であることが明らかになってきました。ローヤルゼリーを摂取することで、小腸での脂肪吸収を抑制して脂質異常症を改善し、また糖の吸収を抑えることで糖尿病を改善することが判明し、注目されています。
●ローヤルペプチドにおける高血圧の改善
血管は、血液にのせて酸素を全身に補給する重要な臓器です。血圧が高いと血管に負担がかかり、動脈硬化が進んで血管の機能がうまく働かなくなってしまいます。放置すると脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、腎障害などを起こす一因となります。
最近の研究で、血圧改善が期待できるペプチド(アミノ酸が2個以上結合したもの)があることがわかりました。ローヤルゼリーにもペプチドが豊富に含まれているため、ローヤルゼリーの摂取が血圧に作用するか、調査が行われました。血圧が高めの人にローヤルゼリーを継続摂取させたところ、プラセボ(ローヤルゼリーを含まない)の組と比べ、血圧が摂取量にほぼ比例して低下しました。この結果、ローヤルゼリーの、2~3個のアミノ酸からなるペプチド(イソロイシルバリルチロシンなど)が発見されました。これらは血圧を上昇させる酵素(アンジオテンシン)の活性を抑えることで血圧を抑える働きにつながっていると考えられています。
参考文献:
医学博士・食品医学研究所所長 平柳要監修『蜂蜜力』
(社)全国ローヤルゼリー公正取引協議会ホームページ