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健康コラム

2015年6月19日

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年齢に負けず強い脳をつくる!

年齢に負けず強い脳をつくる!高齢者人口の増加に伴い急増中の「認知症」。様々な原因で脳細胞が死滅したり、働きが低下するなど、脳に障害が起こる病気です。病気を理解して、年齢に負けない強い脳をつくりましょう。 脳の老化チェック項目

常に働いている脳は活性酸素にさらされる

脳は全身の司令塔。心臓の活動、呼吸、消化などの生命活動を支えるとともに、様々な情報を処理し、記憶や学習、思考、感情といった精神活動を司っています。重要な働きをする脳は、吸っている酸素の約半分を使うといわれます。つまり、それだけ酸素の必要な場所であり、活性酸素も出やすい場所なのです。活性酸素にさらされると、脳はいわゆるサビ状態になり、脳細胞を死滅させてしまいます。
過度なストレスもまた、脳に多大な影響を及ぼします。ストレスを感じると、血圧が上昇したり、呼吸数、脈拍数が増えるなど、脳にはさらにたくさんの酸素が送り込まれてくるようになります。同時に活性酸素も多く発生。すると脳の機能は乱れ、身体の各部の正常な動きを邪魔するようになります。全身への適切な指令も行き届き難くなり、更に状況が悪化するという悪循環を繰り返してしまいます。

脳の働きを鈍らせる5つの要因 ストレス 加齢 血流の低下 脳内の酸化 脳の酷使

だれにでも起きる認知症

日本は、世界に例がないほどのスピードで高齢化が進んでいます。高齢者人口の急増にともなって認知症人口も急激に増えています。厚生労働省の最新の調査(平成22年)では、65歳以上の高齢者2,874万人のうち、認知症を発症する人は約440万人と推計されています。そのうち、介護保険制度を利用する認知症の高齢者は、約280万人いると考えられています。認知症予備軍といわれるMCI(軽度認知障害)の人も約380万人と推計されています。
認知症高齢者数の将来推計では、介護保険制度を利用する認知症の高齢者は2020年には410万人、そして団塊世代が後期高齢者(75歳)となる2025年には470万に達すると予測されています。これは、65歳以上の高齢者人口の12.8%にあたります。
また、年齢別の認知症有病率をみると、70歳を過ぎた頃から認知症になる人が増え始め、75歳を過ぎると急速に増加していきます。そして5歳年をとるたびに倍増し、95歳以上では50~70%の人が認知症になっています。
脳の老化が大きく影響する認知症は、長生きをする現時代になったことによって、誰もがなりうる身近な病気となり、しかも高齢になればなるほど認知症になる危険度は高くなっています。家族や自分が認知症にかかるかもしれない今、病気についてしっかり理解し、予防に心がけましょう。既に認知症にかかっている方も、進行を遅らせ、少しでも快適な生活を送りたいものです。

「認知症高齢者の現状(平成22年)
厚生労働省「認知症高齢者の現状(平成22年)」を参考に作成

老化と認知症の違い

老化による「物忘れ」と、認知症による「物忘れ」は、初期ではあまり区別がつきません。両者の違いは「体験したことを覚えているかどうか」です。普通、私たちは何を食べたか、その献立は忘れてしまっても、食事をしたことまで忘れることはありません。しかし認知症では、食べたという体験そのものがすっぽり抜け落ちて、「まだ食べていない」と騒ぐことがあります。
初期のうちは忘れっぽくなっていると自覚して不安に感じる人もいますが、進行すると忘れたこと自体を忘れるようになります。認知症は「物忘れ」が次第に悪化し、日常生活にも支障が出ます。逆に老化による「物忘れ」は、多少変化するものの、病的に進行することはありません。

老化の場合と認知症の場合

ブレインエクササイズで脳の老化を防ぐ

慣れない動きで脳を刺激する 脳が老化すると「身体操作能力」が低下して、思うように動けなくなります。慣れない動きをするためには、手や脚の動かし方、からだのバランスのとり方を考えながら運動することになり、ふだん働いていない動きに関する脳の領域が刺激されます。

後ろ歩き ゆっくり後ろ向きに歩く。ひじはかるく曲げたほうがバランスがとりやすい

ゴロゴロ体操 両腕、両脚を伸ばしてあお向けに寝る。両手を頭の上で組み、両脚をそろえて、おなかに力を入れて回転。1 回転したら逆方向へ回転する

ブレインフードを摂取して脳の老化を防ぐ

● DHA

マグロやサバなど青魚に多く含まれるn-3系の多価不飽和脂肪酸。低温水域に生息するので、脂肪がマイナス45℃になるまで固まらず、液体を保つ性質があります。これは動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸が固まりやすいことと対照的で、めぐりをよくする働きの要因だと言われています。DHAは情報伝達や記憶、学習能力を司る場所に多く含まれています。発育盛りの幼児から大人まで、あらゆる年齢層に不可欠な栄養素です。
DHAは人の体内ではほとんど合成できないため、食事から摂る必要のある必須脂肪酸です。成人男女に対して1日1g以上のDHA(EPAを含めて)摂取が推奨され、毎日、青魚を食べるのが理想的です。工夫しながら毎日の献立に取り入れるべきですが、それが難しい人には手軽に摂取できるサプリメントがおすすめです。

国民1人1日当たり魚介類と肉類の摂取量の推移

DHA

● いちょう葉エキス

30種類以上の色素成分フラボノイドが含まれ、強い抗酸化力を発揮。血管拡張因子の働きを維持するほか、めぐりをなめらかに保つと期待されています。特殊成分ギンコライドにも、めぐりをなめらかにする働きがあり、記憶や思考力に関与する細胞への酸素不足や死滅を防ぎ、記憶力や加齢に伴う思考力の問題をサポートすると言われています。フラボノイドやギンコライドの相乗効果で、冷えやコリ、動脈硬化など生活習慣病の予防、脳機能の維持が期待できます。

いちょう葉エキス

●レシチン

大豆などに含まれるリン脂質で、細胞膜などの生体膜や脳、神経細胞の構成成分として重要な役割を担っています。レシチンは脳内で情報を伝える神経伝達物質「アセチルコリン」の原料となり、特に記憶や学習に関係し、不足すると認知障害などを起こすと言われています。レシチンを補給すると脳が活性化し、認知症予防に役立つと期待されています。また、レシチンの乳化作用は、コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぎ、動脈硬化を予防するといわれています。

レシチン

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DHA(ドコサヘキサエン酸)
いちょう葉エキス
大豆レシチン

参考文献:
日野原 重明監修『治す・防ぐ・若返る健康医学事典 こころ力・脳力編』
吉岡 充監修『新版認知症・アルツハイマー病』

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