2015年5月18日
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肌が衰えていくことを「肌老化」といいます。老化は身体の組織が酸化すること=「サビ」ていくことです。生きてゆくうえで老化は避けられません。皮膚はたえず体内から栄養をもらって生まれ変わり(新陳代謝)、活動しています。ここでは肌老化の原因や有効な成分について紹介します。
肌老化の防止には、様々な栄養成分が欠かせません。野菜や果物に豊富なビタミンC は、コラーゲンの生成を助ける働きがあり、ハリをもたせると同時に美白効果も期待できます。ビタミンEは血行をよくして新陳代謝を高め、食物繊維は腸内環境を整えて肌トラブルを防ぎます。これらの栄養成分が不足すると肌老化が加速してしまいます。
人の身体は交感神経と副交感神経という、2つの自律神経の働きによって調和が保たれています。ストレスや睡眠不足によって自律神経のバランスが崩れると、新陳代謝が悪くなって肌のターンオーバーがスムーズにいかなくなり、老廃物が除去されずに肌のトラブルや肌老化を引き起こす原因となります。
人は呼吸をしてエネルギーを得ますが、このときにどうしても活性酸素が発生します。この活性酸素が肌をサビつかせる原因。活性酸素は体内のたんぱく質を『老化たんぱく質』へと変え、シワやくすみなどの肌老化を引き起こします。また、老化たんぱく質を分解する力は加齢とともに低下します。
コラーゲンはたんぱく質の一種で、線維状の構造を作る性質があります。肌のコラーゲンは真皮にあり、真皮の約70%はコラーゲンでできています。ゴムのように弾力を持った線維なので、肌は押しても元に戻り、多少は伸び縮みします。しかし、紫外線や加齢によって劣化すると、古くなったゴムと同じで、弾力を失います。
コラーゲンは生きた細胞でないため、表皮細胞のように生まれ変わりがありません。古くなると酵素などで分解され、線維芽細胞から作り出されます。
非常に遅いサイクル(2~6年)で新陳代謝しますが、40代以降になるとほとんど新しくつくられなくなります。どんどん古くなり、量も減ってしまいます。
地表に届く紫外線にはA波とB波の2種類あり、A波は肌の奥深くに差し込んで真皮層の線維組織であるコラーゲンを破壊します。表皮の下の真皮層で皮膚の弾力を保つコラーゲンの構造が破壊されると、肌の弾力が低下してシワやたるみが引き起こされます。
B波は皮膚の表皮層で水ぶくれを起こすなど、皮膚へのダメージが強力です。皮膚では紫外線から細胞を守ろうと、メラノサイトと呼ばれる細胞で黒色メラニンが作られ、シミの原因となります。さらに、新しいコラーゲンを生み出す細胞を傷つけ、新陳代謝を低下させてしまいます。
弾力があって、しっとり潤いのある健やかな肌は、誰もが保ち続けたいものですね。日頃のスキンケアや、紫外線対策など外側からのケアに加えて、体の内側から成分を補うケアにも注目しましょう。
肌の一番外側にある表皮(角質層) では、「セラミド」がバリア機能を発揮して水分の蒸発を防いでいます。また、その奥にある真皮では、コラーゲンが網目状に広がって、バネのような弾力や強さを生み出していて、その隙間をヒアルロン酸が、たっぷりと水分を抱え込んでみずみずしさを保っています。
しかし、これらの成分はいずれも、加齢とともに減少してしまいます。不足するとシワやたるみ、かさつきなどを招きやすくなります。
ハリや潤いのある健やかな肌を保ち、老化をなるべく遅らせるには“守り”と“攻め”のケアが不可欠です。日々の紫外線対策で守りを固め、なおかつ加齢によって減ってしまう成分を体の内側からしっかり補うことが大切です。
●セラミド
角質層を構成する細胞間脂質の約半分を占める保湿成分。水分を挟み込むように保持し、内部の水分が外に蒸発しないようにバリア機能が働いています。外側では紫外線や細菌、ホコリなどの刺激物質をブロックしています。
●ヒアルロン酸
ムコ多糖類と呼ばれるゼリー状の物質で、肌では真皮に存在します。真皮にはりめぐらされたコラーゲンとエラスチン(弾性線維)の編目構造の間を埋め尽くして肌に弾力を支えています。保水力が非常に強く肌の潤いをつくります。
●コラーゲン
たんぱく質の一種で、体内の全たんぱく質の約30%を占めます。皮膚の他に筋肉や骨などいたるところに存在し、細胞間を埋める接着剤の役割を担っています。肌のコラーゲンは真皮にあり、70%を占める重要成分です。
※ 日常の食事では摂りにくいコラーゲン
コラーゲンを含む食品は、手羽先やサケなどの肉類や魚類です。しかし食品に含まれるコラーゲンの分子量は大きく、消化吸収するのに時間がかかります。
●セラミド
●ヒアルロン酸
●コラーゲン粒
●コラーゲンプレミアム
参考文献:
吉木伸子著『美肌のひみつ』/ 吉木伸子著『素肌美人になるためのスキンケア基本事典』
白澤卓二著『100歳まで効く!「抗加齢」アンチエイジングの基本』